生き物の「居場所」はどう決まるか 大崎直太著
- 2024年2月25日
- 書籍紹介
「生物がニッチを獲得するのは競争排除の結果である」という考えは概ね否定されているが、低密度であっても繁殖干渉という形での競争はあると述べている。そしてニッチは「天敵不在空間」と捉えるのが妥当なようだ。本書では多細胞生物の話しか扱われないが、細菌がバイオフィルムのような高密度状態でどのようにニッチを獲得するのかは大変興味がある。ソクランスキーはcomplexという“仲良し度”でグループ分けしたが、天敵不在という考えからすると“仲悪い度”に基づいて生態系を眺めるのも面白そうだ。