エビデンスを嫌う人たち リー・マッキンタイア著 西尾義人訳
- 2024年9月20日
- 書籍紹介
キャッチ-な日本語タイトルにしたようだが、本来のタイトルはHow to talk to a science denierなのでずいぶんニュアンスが変わっている。実際、本書でエビデンスという言葉は出てこない。フラット・アーサー(地球が平らだと信じている人たち)や気候変動否定論者、GMO否定論者、新型コロナ否定論者など、科学を否定的にとらえている人たちにどうやって“正しく?”導くかというのが主題。イデオロギーや政治的アイデンティティー(共和党支持者か民主党支持者かなど)もかかわるので、単に科学に対して無知というわけでもなく著者は様々なアプローチを試みている。
科学が正しいことは自明の理というスタンスには違和感。私も“こちら側”の人間だと思っているが、“こちら側”が正しいのだから“あちら側”をどうやって改心させるかという展開はそのまま逆方向の展開はどうだろうと考えてしまう。『エビデンスが好きな人たち』も出てきそうだ。