手袋という厄払い|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

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手袋という厄払い

ハワイ島のマウナケア山頂には2度行ったことがある。もちろんアルピニストのように本格的な装備をして登頂したわけではない。山頂まで道路が整備されているので車で行けるのだ。山頂にはすばるをはじめ各国の天文台が集まっている。こんなに乱立するとマウナケアの女神ポリアフの怒りを買うかもしれない。以前、もう一つ天文台を作るという話が出たときに地元の人たち(特にフラをするような人たち)は大反対していたのを思い出す。

 マウナケア山頂に初めて行ったときはサンセットを見るためだった。山頂は酸素が地上の6割くらいしかないので、途中のビジターセンターで身体を慣らしてからのツアーだった。このときのことは不思議なことにほとんど記憶に残っておらず、自分で撮影した写真だけが唯一の記録だ。

 二度目ははっきり覚えている。サンライズを見に行ったのだ。どうしてはっきり覚えているかというと風が吹き荒れて「寒くて死ぬかと思った」からである。大げさに言ってるわけではなく、本当に身の危険を感じた。ツアーの担当者から仰々しい防寒服と手袋を借りてツアーの車から降りたとたんにそんな寒さに震えあがった。しかも手袋を外すときに風で飛ばされて片方を失ってしまった。これにはツアーの担当者から嫌な顔と嫌味を頂戴した。きっとあの手袋はポリアフの怒りを鎮めるために差し出されたのだろう。

 

 自宅はマンションだが、エレベーターは極力使わず階段を利用するようにしている。朝、その階段を下りていくときはまだ頭が覚醒していない。そんな不安定な足取りでどんどん階段を下りて最後の数段でつまずいた。前のめりになりながら「こける!」と思った瞬間、左足を出して踏ん張ってなんとかこけずにすんだ。日頃のスクワットの成果がこんなところで出るとは思っていなかった。ただ、その晩帰宅時にコートのポケットに手を入れると、中に入れていたはずの手袋の片方がなくなっているではないか。こけそうになるし手袋は失うしで、ちょっと凹んでいたところ、数日後マンション一階の手すりにその手袋を発見。どなたかが、私が落とした手袋をそこにかけてくれたようだ。手袋を神様に差し出したおかげでこけずに済んだのかもしれない。

 

 診療中、持っていたカルテをばらまいてしまった。床に広がったカルテをかき集めたあと、持っていた診療用手袋が一つないことに気付く。見に行くと思った通り床に一つ落ちていた。この手袋は何のために差し出したのだろうか?差し出していなければ“えらいこと”が起こっていたのかもしれない。きっと手袋には厄払い効果があるに違いない。しかもちゃんと戻ってくる。マウナケアーツアーの担当者には戻ってこなかったが、、、あのお兄ちゃん怒ってたけど、、、

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