哲学者とオオカミ マーク・ローランズ著 今泉みね子訳
- 2025年9月23日
- 書籍紹介
読了後の残響的センテンス。『一番大切なあなたというのは、策略をめぐらせるあなたではなく、策略がうまくいかなかったあとに残るあなただ。もっとも大切なあなたというのは、自分の狡猾さに喜ぶのではなく、狡猾さがあなたを見捨てた後に残るものだ。もっとも大切なあなたというのは、自分の幸運に乗っているときのあなたではなく、幸運が尽きてしまったときに残されたあなただ。p.15』『幸せは感情ではなく、存在のありかただ。p.181』『人生の意味が目的にあると考えるなら、わたしたちはその目的が決して達成されないようにと願わなければならない。人生の意味が目的にあるなら、意味を持ち続けるために必要な人生の条件は、目的達成に失敗することにある。わたしの見解では、これによって人生の意味は、決してかなえられない希望へと変貌する。p.253』『人生で一番大切なものは、まさしくわたしたちが所有できないものに見出せるのだ。p.255』スポーツは目的をかなえられないことの経験であると、世界陸上を見ていて再確認した私です。