お土産の文化人類学 地域性と真正性をめぐって 鈴木美香子著|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

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お土産の文化人類学 地域性と真正性をめぐって 鈴木美香子著|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

お土産の文化人類学 地域性と真正性をめぐって 鈴木美香子著

土産品は聖地巡礼の旅で得られるいわば「聖杯」の性格を持つとか、旅行者が旅行をつうじて日常世界(俗)から非日常世界(聖)へと移動し、また元の日常世界に戻ってくる「脱聖化」の際に、元の日常世界への入場料ないしは再入場料として用意するもの(p.149)という解析を見ているとグローバルな文化人類学の一部に触れている気がする。ただ、本書は日本における菓子土産文化の変遷を柱としているので、頻繁に菓子土産を買う私には興味津々で、初めて知るような内容ばかりであった。終戦後、鉄道(新幹線を含む)における駅での販売で地域性のある菓子土産が注目されるようになり、その後、空港での販売が加わり、今では地方創生という国の旗振りのもと、道の駅などでよく見る特産品も全国で展開している。「東京ばな奈」は東京ではなく埼玉の工場で作られ、東京とは関係のないバナナ味を前面に出しながら、羽田空港を中心に展開したので、地域性や真正性という意味では外れている。

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