ようやく執筆可能
- 2025年7月22日
- Monthly Essay
久しぶりにワードを開いて文字を打ち込んでいる。半月ぶりくらいだろうか?梅雨明け宣言が出たにもかかわらず、ずっとおとなしくしていた蝉もいつの間にか本業にいそしんでいる。平日の午前中、本来は仕事をしている時間帯にPCモニターに向かっている私は、外出するまでの小一時間をエッセイに割り当てることにした。外出先は蝉取りではなく、病院である。
半月前、左目の不調で近くの眼科を受診した。飛蚊症と視野の左下に歪みを感じたからである。どうせ予約なしに飛び込むので待たされるだろうという予想のもと、中井久夫氏の『私の日本語雑記』を携え、待合室で読み始めた。案外すぐにいろいろ検査が始まり、医師による診察まで時間はかからなかった。読みだしてすぐの本をしまって診察開始。家内と仲の良いベテランの女医さんだ。検査から上がってきた画像を診て表情が変わった。「裂孔原性網膜剥離です。」と言ったあと、「中央にまで迫ってきているので、進行すると最悪失明です。即入院、手術です。」と言いながら、診断書を書き始め阪大病院に電話。時間は朝の10時半で、阪大の初診受付は11時。時間外で受け付けてくれるとの阪大からの返事に、ただならぬ状況を感じた。私はあっけに取られていたが、早い対応に「ありがとうございます」と女医さんに頭を下げたら、頭を動かすなと怒られた。
阪大病院ではすでに受け入れ態勢が整っていて、カルテを作ってすぐに眼科の外来へむかった。待合室の患者さんの数にびっくりしながら、しつこく本を読む私。検査をどんどん受けたのちに医師の説明。「即入院で、明日手術します。」と言われたあと、2種類ある手術法のどちらを選ぶかという話に。できるだけ早く仕事に復帰できることを最優先に考えてもらい、手術法が決定した。「ついでに水晶体のレンズも交換しましょう。」ということになり、左右のバランスをできるだけ変えないレンズにしてもらうことで合意。近くの眼科に気軽に行くような恰好のまま、入院する部屋にチェックインした。
それからのことは次のエッセイに回すことにして、、、今日は術後のチェックの日なのだ。眼球にガスが入っている間は飛行機に乗れないので、北海道旅行も泣く泣くキャンセルした。今週末のPECセミナーも新幹線で東京入りである。飛行機と運動がいつ解禁されるのかが最も気になるところ。仕事は明日から通常通りの診療再開である。ちなみに“例の本”は入院したその日に読了している。