キーボード万歳!|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

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キーボード万歳!|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

キーボード万歳!

歯科医師になった1980年代半ば、勉強してまとめるときも、勉強会で発表するときも“手書き”だった。やがて一太郎のようなワープロが流行りだし(その前はタイプライターです!)、綺麗に印刷された文章を作れるようになった。機械音痴の私は、彼女(現在の家内です!)に頼んで、勉強会で発表する資料をワープロでビシッと作ってもらい、自慢げにプリントアウトを配布していた。でも私がワープロを打てるわけではなかった。

 勉強会でまとめた内容が過剰評価され、それを雑誌に連載することになってしまった。“えらいこっちゃ”である。雑誌社に入稿するということがよくわからない私は、近くにあった印刷済みコピー用紙の裏に手書きで書いて送った。校正刷りが送られてきて、それに手を加えて送り返すという作法はすぐに習得した。しかし相変わらず“コピー用紙の裏作戦”を続けていると、編集者から「字数が把握できないのでせめて原稿用紙に書いてほしい」という悲鳴に近い連絡がきた。今でも思い返せば冷や汗ものだ。だって、コピー用紙にボールペンで書きなぐって、間違えたらガ~~っと線で消した“いびつな”原稿だったからだ。

 相変わらずワープロを打てない私だったが、プレゼンが35㎜スライドからPCに替わっていく流れのなかで、文章をPCのワープロソフトで書くという作法に追い込まれてしまった。キーボードに触れたこともない私が、いきなりノートパソコンを購入し、パワーポイントでスライドを作り、ワードで文章を書くという難題に飛び込んだ(OSwindows 95!)。ブラインドタッチができるようにソフトをインストールし、毎日練習。ラスボスを倒すように最終試験に合格して見事“名人”を所得。未だにデジタル音痴ではあるが、なんとか普通にPCを使いこなせるようになった。(めでたし、めでたし)

 

 キーボードを使いだすと、手書きで漢字を書けなくなるというデメリットはあるものの、執筆するうえでは大変重宝している。手書きで書いていたときには、思った文章を書いてる尻から「いや違う」という気持ちが芽生えた。なのでボールペンでガ~~だったのである。それがキーボードを使うと、私の脳で発火したのとほぼ同時くらいで入力されるので時間のラグがない。いや、もっと極端な表現をすると、頭の中で文章を描くステップが飛ばされて、キーボードに指が勝手に入力していく感じだ。つまり私は傍観者で、脳と指とキーボード3者が勝手に仕事をしているイメージ。なので一気に書き終えた原稿を読んで、「自分はこんなこと思っていたんだ」なんて他人事のように感じることがあるのだ。私はAIを一つ脳にインストールしているのか、ゴーストライターが背中に張り付いているに違いない。そしてAIやゴーストライターと私とのインターフェイスがキーボードなのだ。おかげでFJの“ぽっちり”はすぐにすり減ってしまうくらい酷使しているが、心の中では「キーボード万歳」なのである。

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