ステイタスに思うこと|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

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ステイタスに思うこと|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

ステイタスに思うこと

長らく海外に行っていない。海外に行かない理由ランキングは、1位「コロナがきっかけで行く気が失せた」、2位「北海道ラバーになった」、3位「移動費や宿泊費が急上昇した」あたりだろうか。どちらにしても国際線のお世話にならなくなったわけである。国内線で移動する距離は知れてるので、マイルやポイントが貯まらない。各航空会社は貯まったマイルやポイントに応じてステイタスを設定するので、私のステイタスはどんどん下がっていった。ステイタスが下がると利用できるラウンジが変わったり、搭乗の順番や荷物のプライオリティーが変わる。ステイタスは上がっていくと喜びだが、下がっていくとやるせない気持ちになるものだ。航空会社はその喜びを維持したいという気持ちややるせない気持ちから脱したいという気持ちを利用回数の増加にむすびつけたいわけである。つまり上級サービスを享受したければ時間とお金を当航空会社に使ってくださいという戦略だ。

 

 あまり百貨店で買い物をしなくなった。仕事柄、スーツを作ることが多いのだが、以前は百貨店系列のところであつらえていたものの、店が移転したために百貨店でスーツを作ることがなくなった。これで百貨店でのステイタスがなくなった。年間の支払金額が一定レベルを超えると特別なラウンジが使えるのだが、そのサービスがカットされるのだ。これは航空会社とまったく同じ戦略である。特別なサービスを享受したければ時間とお金を当百貨店に使ってくださいという戦略。

 

 学会に認定医という制度がある。教育的効果も期待できるだろうし、それによって患者さんが正しい診断や治療を受けられる可能性が高まるのであれば望ましい制度と言えよう。ただ、この認定医がステイタスになると話は複雑になってくる。本人が認定医であるという矜持を持つのはいいだろう。しかしながら矜持を持ち続けるために決まった単位を所得し、学会に参加しなければならないという縛りが気になりだしたらそれは学会が航空会社や百貨店に歩み寄った成果である。縛りに対して違和感を持つのは当然だ。医療や教育というのは文化資本のようなもので、ギブアンドテイクの経済資本に組み込むべきものではないからだ。

 

 海外とも百貨店とも学会とも距離を置く私はステイタスとは縁遠くなってしまった。いったん縁遠くなるとそのステイタスを維持するための時間や費用がばからしく思えるのだが、これは“負け惜しみ”や“負け犬の遠吠え”なのかもしれない。今はステイタスがない状態が普通なのだが、たまに何かの間違いでステイタスが復活することがあって、その戦略にも惑わされる私です。

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