プルーストとイカ メアリアン・ウルフ著 小松淳子訳|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

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プルーストとイカ メアリアン・ウルフ著 小松淳子訳|PEC事務局|歯科衛生士・歯科医師セミナー

プルーストとイカ メアリアン・ウルフ著 小松淳子訳

ソクラテスが自らの本を残さず、プラトンが書記したことにずっと違和感を持っていた。どうもソクラテスは書記言語を信用していなかったようだ。これは図らずもAIを通してあっという間に答えにたどり着ける現代にも通ずることだった。『一般の若い読み手たちは、画面に表示される情報の即時性とうわべの包括性にすっかり慣れてしまって、批判的な努力も、与えられた情報以上のものを得ようとする必要もなく、すべてを手に入れられるようになってしまったために、文章の分析やより深いレベルの意味を探ることを時代遅れと思い始めているのではないかと思っている。P.329』『今の子どもたちの多くはまさに、ソクラテスがそうなって欲しくないと思ったもの、つまり、自分には知識があると錯覚しているために知的潜在能力を伸ばせずにいる情報解読者集団になる寸前ではないかと心配なのだ。P.331』情報リテラシーを目指していたものが、いつの間にか情報イリテラシーに追い込まれる不安を駆り立てられる。読字能力獲得過程の脳科学やディスレクシアの話も興味深い。朝一の冷え込んだ診療室で太ももの裏に手を突っ込みながら読書するために文鎮購入。

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