人間ドックとの闘い
- 2025年12月1日
- Monthly Essay
年に一度人間ドックに行くようにしている。今年も数週間後に受診予定だ。いつの間にかスケジュールが埋まってしまって行けないこともあるが、だいたい1年に一度の行事にしている。「自分の身体のことは自分が一番わかっている」という主観に支配されてしまうと、なかなか自分の身体を客観的に捉えることができない。特に私のような“ガンコ”な人間は人の忠告に耳を貸さないので要注意だ。自分ひとりだったらきっと受診しないし、そもそも人間ドックというワード自体、私の頭の中のワード・クラウドに存在しない。なので家内が毎年予約をして、私を引っ張って行ってくれる。
まったく関心のない私でも人間ドックの予約を入れた時点からワード・クラウドで目立つ場所を陣取ることになる。日が近づいてくるとそのワードがちょっとずつ大きくなってくるので、家内と二人で“暴飲暴食を控えましょうキャンペーン”が始まる。前回の人間ドックは1月に予約していたので、12月初め頃からキャンペーン実施。自宅ではアルコールを飲まないということにした。(外食時は例外)
この成果がてきめんに出るのは、ゴミ出しのときのビール缶やワインボトルの量が激減することだ。残念ながらお腹の贅肉は激減までいかないが、「ちょっと痩せた?」とお互い励ましあいながらダイエットを楽しんだ。太っていくときには美味しいものをたらふく食べるし、アルコールもがぶがぶ飲むのでとっても楽しい。でもダイエットモードに入ると苦しいかというと実はそれも楽しいものだ。だってスタイルも変わるし、空腹感という喜びも味わえる。私なんか太ると最後にはぎっくり腰という“おまけ”が付いてきたりするので、腰痛予防にもなる。
「腹八分目で、バランスの取れた食事」がよく推奨されるが、これでは人間の欲望は満たされない。そもそも我々が喜びを感じるのは「食べ過ぎてお腹パンパ~ン」のときや、「飲みすぎてフラフラ~」のときなのだ(後悔はするけど、、、)。なので暴飲暴食を楽しんで太った後は、ダイエットモードで痩せることを楽しむという“動的平衡”が欲望を満たしながら“ぎりぎり”健康を維持する秘訣かもしれない。我々人間だけでなく、生物を含む自然界にはレジリエンスが備わっているのだからそれが自然なのだ、、、という我田引水はいかがだろう。
前回は“暴飲暴食を控えましょうキャンペーン”で2キロほど体重は減少したものの、年末年始の旅行で見事リバウンド。それから巻き返しを図ったものの間に合わず、ほんのちょっとのキャンペーン効果という結果となった。私はHbA1cが初めて6.0となり、医師によるコンサルテーションで「糖尿病予備軍なので、糖質制限も考えてもらったほうがいい」と言われた。でもダイエットモードが終了したのでその日は“粉もん”を食べながら飲んだくれた。だって“ガンコ”だから。今年はどうしよう。