古都 川端康成
- 2025年10月11日
- 書籍紹介
京都の四季折々の風情ある描写以上に京都らしいのが会話文。「お好きなん、見とくれやす」「お嬢さんがおいやして、よろしおしたわ」「お茶入れまっさかい」等々。関西人は普通に読めるけど、読みづらい人もいるかもしれない。文学書にしてはめずらしく、本人による“あとがき”があって、京都弁は京都の人に手直しをしてもらったらしい(著者は大阪出身)。本書執筆時は睡眠薬をかなり常用していて、校正するまで内容がうつろな状況だったとのことや、その睡眠薬を止めたとたんに禁断症状で入院する羽目になったことなども書かれていた。