晩年 太宰治
- 2025年12月13日
- 書籍紹介
この夏、人間失格を読んで若干陰鬱な気分になったので、もう太宰は読まないと思っていたにもかかわらず書店で手が伸びてしまった。晩年は15の短編集に対する総称としてのタイトルだが、一つの小タイトルの中にもっと小さな短編集が入っているのでトータルは結構な数になる。27歳の著者がじじくさいタイトルにしたのは自殺前の遺書という想いがあったようである。いろんな作風を試みており、特に「道化の華」は登場人物が織りなすストーリーにいきなりナレーターのように作者が割り込んできて、その作品をけなすというややこしい展開。
