メールでソムリエから連絡が来る。「〇〇がメートルドセルヴィス杯優勝しました！」〇〇とソムリエは同じホテルで、同期で、同じ年で、仲の良い友人どうし。私は二人と一緒に食事に行ったこともあって、仲良くしてもらっている。年齢は二人とも私の息子より3つ若く、年齢差は親子レベルである。メートルドセルヴィス杯は全国のフレンチレストランでサービスをしている人たちがその知識と技を競うコンテストで、2年に一度開催されるものだ。予選、準決勝、決勝があって、1名優勝者を決めるきわめて難易度の高いコンテストである。私がよく利用するホテルでは、過去に2名、優勝者を輩出しているので、これで3人目ということになる。彼は昨年、チーズプロフェッショナルの第一回サービス・コンテストでも優勝している。これは全国でチーズのプロとして働いている人たちが集って競うコンテスト。彼は2年連続で超難関コンテストの優勝者になったことになる。ちなみに彼はソムリエの資格も持っている。

　同じタイミングで、同じホテルでバーに勤務している女性バーテンダー（バーテンドレスというらしい）が、カクテル・コンペティションで優勝した。彼女は日ごろからジムで身体を鍛えていて、バーテンのユニフォームはパツパツ。しっかりシェイクできる体を作っているようだ。カクテルをシェイクするときに使うシェーカーには大きいものもあるので、それらもブレずにシェイクできるように意識しているのか、それとも男性の多い世界で身体的に対等になろうとしているのか、、、小柄ながらしっかりとしたスタイルとオールバックの髪型は、初対面の人はかならず「宝塚の男役？」というイメージを持つ。

　〇〇と彼女は同じ歳だ。たゆまぬ探求心と練習は当然二人の共通項であるが、下には彼ら、彼女らを慕う後輩がいるというのも共通している。後輩たちもチャレンジをしていて、いろいろ報告してくれるのも楽しみだ。〇〇とは祝杯をあげる約束をしているが、超人気者になったのでその時がいつ訪れるのかはわからない。彼の可愛い娘の写真を見せてもらいながらの祝杯は格別なものになりそうだ。