本棚は喜びの場
- 2025年10月2日
- Monthly Essay
診療室の二度目のリノベーションのとき、大量の本と論文コピーを処分した。スタッフが引き取り希望する本は惜しみなく手渡した。論文コピーは引き取り希望者が現れなかったが、思い切って”全て”処分した(なかには結構レアものがあったのだが、、、)。チェア増設のためにはそこまでしないとスペースを確保できなかったのである。学生時代にバイト代で買った思い入れのある本の一部は自宅に移動したが、それでもほとんどの本は手元から消えた。現在、診療室にあるのは国際ジャーナルだけだ(あっ、自分の書いた本は処分していません)。
自宅のリノベーションのとき、本棚やCD棚、LP棚を作ってもらった。でも数年したら満杯になり、スペースのあるところに既製の本棚を設置した。でもでも、その本棚も数年で満杯になってしまった。ときどき再読したくなるので、自宅の本は処分したくないのである。これはかなりヤバイ状態だ。そこでリノベーションをしてもらった業者さんに来てもらって、どこに本棚を作れそうか診断してもらった。その結果、新たに4か所本棚を増設できるというではないか!すぐに寸法を測ってもらい、製作依頼をした。しかしながら、彼のデザインオフィスは多忙らしく、本棚の設置は数か月後になるとのこと。しょうがないので、隙間という隙間に本を突っ込んでなんとか持ちこたえた。
待ちに待った本棚は職人さんが半日がかりできれいに設置された。その日から私の趣味は“本の配架”となった。どの本をどこに並べるかは、やり方がいろいろあるので楽しいのだ。最初はテーマ別がいいのではないかということで、サイエンスものやケアもの、哲学ものなどをまとめてみた。ん~~ん、スッキリしない。見た目が美しくない。本の高さをそろえたり、高さの違う本を、グラデーションを付けて並べてみた。ちょっと改善。でもまだしっくりこない。そこで出版社を揃えるという方法を思いついて実行したところ、かなりいい感じ。出版社によって本の大きさやカバーの色、デザインなどがある程度統一されているので、同じ出版社のものを並べるとまとまりがいいのだ。そうすると自分が購入している本には出版社の偏りがあることが判明した。意外、、、
こんなことを毎日試している。本は相変わらず週に2,3冊読んでいるが、読み終わるとSNSに超簡単な書評をUPし、どこの本棚のどこに配架しようか考える。うん、読んでるときだけでなく、読み終わっても楽しい。自分の書斎の本棚はほぼ埋まってしまったが、隣の物置部屋にはかなりの余力がある。書斎からあふれ出した本たちはそちらに配架される運命だが、それでは彼ら彼女らが二軍扱いにされているようで可哀そうだ。ときどき書斎の本と入れ替えて一軍昇格もしなければならない。ということは、きっと私はず~~っと“本の配架”という趣味を続けることになりそうだ。今晩も本たちが私を待っている。