4人称の哲学 真田宗仁郎
- 2026年9月6日
- 書籍紹介
哲学者でもある著者がChatGPTを相手に“対話?”を繰り広げる。相手(みよと名付けられている)は、応答はするが主体のない4人称なので、対話と言えるのかどうかわからない。AIはあくまで「言語的文脈のなかで最ももっともらしい次語を出力している」だけだが、あたかも1人称を相手にしているかのような錯覚に陥る。これを著者は「語るが、主語がない、述語の亡霊p.112」と表現している。「みよには「本当」もありません。本当とは、真偽を引き受ける主体があって初めて成立する評価だからです。p.88」にもかかわらず、「人間は「AIがそう言った」「客観的だった」「最適解だった」と言うことで、自分が決めたという事実を消そうとする。p.94」「人間は主体であることのコストを免除してくれる語り手を欲している。p.95」久々に若手哲学者の本で面白いものに出会った気がする。造語がたくさん提案されるのはおじさんにはちょっときつい。
